戯言ヲトメツバキ（完）

14日は夜に謝恩会があって、稽古を休んだ。
その前にしかやれないことが、内部実習のカルテ整理とか、甘粕の芝居を見るとか、
あったのに、それをするのでなくて、メンテナンスをやっていたら、時間が過ぎていた。

謝恩会では、お世話になった先生や先輩に対して、卒業生がメッセージを送った。
個人から個人に向けたメッセージが、みんなが聞いている前で伝えられるという状況は、
すんごい不思議だったけど、「これがそうなのか」と思った。
なにか意味がとてもあることはわかる。中身は、まだ、もさぐり中。
ぼくが今までスルーしてたもの、そのいち。

15日は稽古。そのあとに焼肉を食べる。
酔っ払ったつもりになって適当なことを喋って、うわっついた気分で帰る。
それでも芝居でうまく行かないシーンについて、なにかを掴もうとしている。

それから院の同期のやつが家に泊まりにきて、YouTubeで芸人の動画を紹介してもらう。
こういう風に、自分が面白いと思うものを他人と共有しようという衝動が僕には薄い。
ぼくが今までスルーしてたもの、そのに。

それから、特に話題も無いのに夜更かしするので、今日買った新書を読んでいた。
こういうことをあまり気を使わずにできるひとは、家族を除けばあんまりいない。
これは「コンサルタント習慣術」という本で、くりかえすもの・つみあげるものとしての
「習慣」というものがすごい気になっていたので、ピピンときて衝動買いしてしまった。

16日は卒業式。
僕は写真が苦手。嫌いじゃないけど苦手。笑顔を作るのが苦手。思い出作成活動が苦手。
でも、あの先生と一緒に写真を撮りたいと思いながら言い出せずに終わってしまった。

式は予想外に色々なものを面白いと思った。
別の学科の人の論文の題名、オーケストラの激しく動く指揮者、感情を揺さぶる音楽、
ピントをものすごい広いところにあてた学長のスピーチ、表彰される人々。
脳内でACIDMANの「式日」がループして流れ、また「これがそうなのか」と思う。
ぼくが今までスルーしてたもの、そのさん、そのよん。

嬉しいメールが来る。
そのあと稽古。おもしろい。むずかしい。あとちょっと。
稽古後、大学院の追いコンの２次会が終わったあとに合流して、ラーメンだけ食べて帰る。
キャバクラの外立ちのお兄さんに、追いコンの店まで案内してもらった。